2025年4月15日、EXPO 2025大阪・関西万博にて開催された第2回「National Made in Italy Day」。
イタリアの高級ブランド財団 Altagamma とイタリア館が主催し実現したこの国際カンファレンスに、LYUCOMPANYが参加した。
「美とは何か」を問う、イタリアと日本の対話
カンファレンスのテーマは、「創造性とデザイン、クラフトマンシップとイノベーション:イタリアと日本の対話」。
登壇者には両国を代表するクリエイター、デザイナー、文化人が名を連ね、文化の根幹にある「美」と「ものづくり」の在り方を語り合った。
イタリアは、芸術や自然への洞察から生まれる「美」を暮らしの中核に据え、その審美眼が社会全体に浸透している。美は感性であり、哲学であり、文化の記憶として息づいている。
日本は機能美の追求に長け、簡素のなかに静けさや緊張感を宿す「余白の美」にこだわり続けてきた。細部に宿る精神性、合理の中に込められた誠実さは、日本独自の洗練の形でもある。
イタリアと日本、どちらも美とものづくりに深い精神性を宿す国だが、そのアプローチには大きな違いがある。それぞれが美の一側面を極めてきたからこそ、互いの美意識が響き合うことで、世界に新しい調和が生まれる可能性を秘めている。
「美」を起点とした未来構想
LYUCOMPANYは、単なるイタリア製ヨットの輸入業者でも、消費を促すブランドプロモーターでもない。
文化の仲介者としての立場を自覚し、ラグジュアリーに内包された哲学や思想を、国内に、次世代に担っていくことを望む。
今回のディスカッションを通じて再認識したのは、「美」とは外観の問題ではなく、人間がどのように世界を観るか、何に価値を置くかという根源的な問いそのものであるということ。
また、ラグジュアリーとは、「美とは何か」という問いと向き合う知的実践であり、そこに込められた歴史、文化、意味、文脈を尊重し続ける姿勢そのものだと、あらためて認識させられた。