スポーティーと快適性を兼ね備えた一艇、イタリア・ファーノにて進水
イタリアのラグジュアリーヨットブランド「パーシング(Pershing)」による最新モデル「GTX70」が、3月19日、イタリア・ファーノ港にて進水した。
スポーツ・ユーティリティ・ヨット(Sport Utility Yachts)シリーズ第3弾となる本モデルは、ブランド創業40周年を飾る記念モデルとして位置付けられる。
全長21.88メートル、全幅5.42メートルのGTX70は、フェレッティ・グループ製品戦略委員会(ピエロ・フェラーリ氏主導)、ヴァリチェッリ・デザイン、同グループエンジニアリング部門の協働によって開発された。
専用設計の船体(ハル)は最新鋭設備を備えた工場で製造され、GTXシリーズ専用のモンドルフォ新工場で建造された。
本モデルは、パーシングならではのスポーティーな走行性能と高い居住性を備えつつ、よりコンパクトなサイズにまとめられている。
2層のデッキとスポーツブリッジ(上部デッキ)を備え、3キャビン構成で最大6名の宿泊が可能。優雅なクルージング体験を提供する設計となっている。
外観はパーシングの象徴であるグレーカラーを基調とし、GTXシリーズ共通のデザインコンセプトを継承。緩やかに湾曲するシアーラインが船首から船尾まで伸び、両舷のブルワークは展開することでテラス空間へと変化する。
流麗なシルエットと直線的な船首が、スポーティーさと気品を兼ね備えた外観を形成している。
船尾のビーチエリアは、オプション仕様の大型サンベッドを装備。両舷のテラス展開時には最大23平方メートルの開放空間となる。
さらに、最新の昇降式プラットフォームを備え、水面近くまで下げることで、ジェットスキーやテンダーの揚降を容易に行える構造を採用した。
メインデッキは室内と屋外がシームレスにつながる開放的な設計。広々としたC字型ソファとダイニングテーブルを備えたコックピットは、上部のスポーツフライによって十分な日陰を確保する。
ギャレーには昇降式ガラスパネルを採用し、内外のラウンジエリアが一体となる空間設計が施されている。
ロワーデッキには3キャビンと専用バスルームを各室に配置。プライベート性と快適性を両立させた設計とした。
スポーツブリッジにはサンベッド、ダイニングエリア、操縦席の3エリアを設け、オプションで電動ビミニトップ(カーボンポール仕様)の装備も可能。日差しを遮る快適な空間を演出する。
搭載エンジンは、VOLVO PENTA製D13 IPS1200(900馬力)3基。最高速度35ノット(時速約65km)、巡航速度30ノット(時速約56km)を発揮する(いずれも暫定値)。
また、24メートル未満のヨットとして最高ランクの「CE Aカテゴリー」認証(EUで施行されているヨットやボートの安全性能基準)を取得し、安全性にも優れる。
コンパクトでありながら圧倒的な存在感を放つGTX70は、パーシングの技術力と美学を結集した一艇として、今後のマーケットにおいて高い注目を集めることが予想される。