市場の構造変化:大型化と非公開化
スーパーヨット市場では近年、取引の大型化と非公開化が同時に進行している。特に全長70メートル超のカテゴリーでは、オーナーのプライバシー保護や資産管理上の観点から、一般公開されないオフマーケット取引の比率が高まっている。
Burgessの実績データによると、2020年以降の同社売買総額のうち46%がオフマーケット案件によるものだった。この数字は、市場の透明性が低下しているというよりも、取引の性質そのものが変化している。
Burgessの取扱案件
現在Burgessは、1,500GT超の大型スーパーヨットを複数手がけている。主な案件にはENERGY、PROJECT LIFE、MALIA、VANISH、SYNTHESIS、NENINKAが含まれる。
これらの取引には以下の専門領域が関与する。
- 国際海事規制への対応
- クロスボーダーの資産・税務管理
- 運航体制と乗組員の確保
- 機密性を前提とした交渉プロセス
2026年上半期の実績
2026年上半期、Burgessは70m超のカテゴリーで業界最多の成約件数を記録した。総取引額は約5億ドルに達した。
ブローカーの役割変化
売り手側は適正な価格設定とグローバルな販売網の活用を重視する。一方、買い手側はオフマーケット案件への接触機会や、専門的なアドバイスを求める傾向を強めている。こうした双方のニーズの変化に伴い、ブローカーに求められる役割も、単なる仲介業務から総合アドバイザリーへと広がっている。
Monaco Yacht Showのような公開イベントは、依然として業界にとって重要な接点である。しかし実際には、大型案件の多くは個別ミーティングや既存の顧客ネットワークを通じて進められており、実質的な取引は展示会の外で動いているケースが多い。

EUR 185,000,000 (約342億円)
全長77.8m(255.2ft)|キャビン7室・ゲスト14名|建造年2022年(オランダ・Amels)

EUR 110,000,000 (約203.5億円)
全長77.7m(254.9ft)|キャビン8室・ゲスト17名|建造年2023年(ギリシャ・Golden Yachts)

EUR 148,000,000 (約274億円)
全長71.5m(234.5ft)|キャビン7室・ゲスト14名|建造年2021年(オランダ・Feadship, Royal Van
Lent)
※1ユーロ=約185円換算、2026年6月時点

